パウロ外伝 冒険者編2話【黒狼の牙結成】


聖ミリスが神より与えられたとされる、この世で最強の武具、聖剣……。

失われたと思われていた遺物の存在を示唆され、酒場に集まる冒険者たちは色めき立った。

それを、ひとりの男の一喝が鎮める。
男はA級冒険者パーティ『ロード・オブ・ジャッジメント』のリーダー、トースマンだった。

トースマン
「おいてめえら。今聞いたことは全部忘れろ」

ランクに見合う威圧感。
周囲を睥睨し、底冷えのするような声だ。

トースマン
「聖剣はロード・オブ・ジャッジメントが獲る。
この酒場にいる連中の顔は今、よぉく憶えたからな……」

トースマン
「お前らも憶えとけよ。
俺がてめぇらを遺跡で見かけたら、ただじゃおかねえってことをな」

声を荒げているわけでもないのに、猛者たる冒険者たちはトースマンに委縮する。
誰もが口を閉ざして従おうとする中、彼は立ち上がった。

パウロ
「悪いが、俺は狙わせてもらうぜ」

トースマン
「あ?」

パウロ
「さっきから聞いてれば、好き勝手言ってくれるじゃねえか」

パウロ
「遺跡も聖剣も、お前らのモンじゃない。
指図されるいわれはねえ!」

ギース
「お、おい、パウロ!
相手が誰かわかっててケンカ売ってんのか!?」

パウロ
「ああ。コイツは……いけ好かねえヤツだ」

腕を引いてくるギースの手を離させる。
パウロは前に出て、トースマンと正面から睨みあった。

パウロ
「いくら聖剣がほしいからって、周りに圧力かけるなんざカッコ悪いな、お前」

トースマン
「……てめぇ、知ってるぞ。
確かパウロとかいうC級のガキだったな。
今、なんつった?」

パウロ
「カッコ悪いって言ったんだよ。
カッコ悪くて、情けねえ」

パウロ
「だから、もう1度言ってやるよ。
俺は、聖剣を狙わせてもらう。
お前みたいなヤツにはもったいないシロモノだ」

トースマン
「なにぃ……」

トースマンは不快さを顔に滲ませる。

パウロ
(来るか?)

トースマン
「ハッハッハッハッハ!」

パウロ
「……?」

パウロが警戒した瞬間、トースマンは大声で笑いだした。

トースマン
「てめぇのほうこそ、随分カッコつけるじゃねえか!」

トースマン
「パウロ、てめぇの噂は聞いてるぜ?
剣の腕は立つのに、ロクに仲間も作れねえボッチ野郎だってな!」

パウロ
「何が言いたい?」

トースマン
「一匹狼を気取ってるだけで、冒険者としての素質が欠落してるガキが、A級の俺に嚙みついてくるんじゃねえ!」

トースマン
「てめぇひとりで何ができる?
どうやって魔物だらけの遺跡の奥まで行って、ガーディアンを倒して聖剣を手に入れるってんだよ!」

パウロ
「やってみねえとわかんねえだろ!」

トースマン
「ハーッ! コイツは面白え冗談だ!
お前、冒険者やめて道化師にでもなったほうがいいんじゃねえのか?」

トースマン
「お前らもそう思うよなぁ?
ハッハッハッハッハ!」

トースマンの言葉で、ロード・オブ・ジャッジメントの面々は笑いはじめた。
嘲笑は酒場にいた他の冒険者にも広がっていく。

パウロ
(なんで……なんで、お前らまで哂(わら)うんだ?
トースマンの言うことに同意してるってのか?)

怒りで目の前が真っ赤になる。
パウロは拳を握った。

パウロ
(冒険者は自由なんだろ?
強いヤツに指図されたら従うのか?)

ギース
「お、落ちつけ、パウロ!」

今にも飛びかかりそうなパウロを、ギースが背後から羽交い絞めにして止める。

パウロ
「ギース! 放しやがれ!!」

ギース
「は、放したら乱闘待ったなしだろ!
落ちつけって!
そうだほら、深呼吸! 深呼吸しろよ!」

トースマン
「ハッハッハッハッハ!
この程度で我を忘れるなんざ、やっぱりガキだな!」

トースマン
「こんなアホなガキに関わってる暇はねえ。
おい、お前ら、行くぞ! 今晩中に作戦会議だ!」

仲間にそう呼びかけると、トースマンは酒場を出て行った。

そこでようやくギースの力が抜け、パウロは解放される。
そこにツカツカと歩み寄ってくる者がいた。

???
「………………」

パウロ
「あんた……」

パウロ
「トースマンに抱きついてた女か。
ロード・オブ・ジャッジメントのメンバーが、俺に何か用かよ?」

長耳族の女はパウロに近づくと、耳元に顔を寄せてフッと笑みを漏らした。

???
「あなたのような勇敢な男、嫌いじゃありませんことよ」

パウロ
「は?」

エリナリーゼ
「わたくし、エリナリーゼといいますわ。
またお会いしましょう」

頬に唇の感触。
パウロが状況を把握する前に、彼女も酒場を出て行ってしまった。

空気が悪くなったせいか、酒場にいた冒険者たちも次々に席を立つ。

ギース
「おい、どうすんだよ?
完全に目をつけられちまったぜ?」

ギース
「A級だぞ、A級。
モノホンの実力者を敵に回してよぉ……。
この町にも居づらくなるぜ?」

パウロ
「居づらくなったら出て行けばいい。
拠点なんてどこでもいいんだ」

パウロ
「でもその前に、聖剣だ。
どうもこうもねえ。
俺は徹底的にやる」

ギース
「やる気があるのはいいけどよ、策はあんのかよ?」

ギース
「トースマンの態度はともかく、言ってることはそこそこ的を得てただろ。
一匹狼クン?」

パウロ
「わかってるよ!
要するに、あれだ!」

パウロ
「パーティを作ればいいんだろ!?」

ギース
「それができないから、お前は今の状況なんじゃねえの?」

パウロ
「………………」

パウロは面白くなさそうな顔をしたが、すぐにギースに背を向けて酒場の中を見わたし、周囲に向かって叫んだ。

パウロ
「おい、お前ら! いいのかよ!
アイツにあんなこと言わせたまんまで!!」

パウロ
「俺は行くぜ! 聖ミリスの剣、モノホンの聖剣だ!
手に入れりゃあ、英雄になるのも大金持ちになるのも自由だ!」

パウロ
「そんなお宝をアイツらに独占させるつもりはねえ!
誰か、俺と一緒に遺跡に行くヤツはいねえか!?」

パウロ
「この際、贅沢は言わねえ!
ムサい男でもいい! どうだ!?」

ギース
「お前が譲歩するとはな……。
ま、この期に及んでパーティメンバーに条件つけたら、誰も入っちゃくれねえよな」

ギース
「もっとも、だからって、お前と組みたがるヤツがいるかねえ?」

パウロ
「ああ? んだと!?」

ギース
「周りを見てみろよ」

言われたとおり周りを見ると、冒険者たちは似たような表情を浮かべている。
え? お前と組む? という表情だ。

ギース
「言うまでもねえが、ここにいる冒険者の大半には自分のパーティがある。
行くなら自前のパーティで、だろ」

パウロ
「ぐぬ……」

ギース
「だから誘うなら、ソロの冒険者だ」

パウロ
「!! ああ、そうか!」

ギースの言うことはもっともだ。
パウロはもう1度、今度はソロ冒険者に対し、ひとりずつ声をかけていく。

パウロ
「なあ、お前らはこのままでいいのかよ」

パウロ
「冒険者として、上に上がりたくねえのか?」

パウロ
「さっきの連中みたいに、肩で風切って歩いてみたくねえのかよ?」

冒険者たちの反応はあまり良くない。
それはパウロの説得が届いていないからではなかった。

素直に同意したくないと思うくらい、これまでにパーティで行動していた時のパウロの評判が良くなかったのだ。

パウロ
(だからって、諦められるか!)

パウロ
「俺は聖剣がほしい!
だから俺を手伝ってくれ!」

パウロ
「その代わり、今、俺を手伝ってくれたら、今度は俺がお前らを手伝う!
装備を整えるのでも、ランク上げでも、なんでも!」

パウロ
「アイツらに舐められたままでいられるかよ!
怒ってんだ、俺は!!
お前らは違うのか!? ああ!?」

???
「違わん」

???
「儂も、奴らの言い分は頭にきた」

初めて、直接的な反応が返ってきた。
ひとりの中年男性だ。

ギース
「炭鉱族の……」

パウロ
「このオッサンのこと知ってんのか?」

ギース
「……有名なヤツだからな。
炭鉱族っていやぁ、普通は金属や石、装飾品の扱いに長けた種族で、戦士として優秀な種族だ」

パウロ
「戦士? でもコイツが持ってんのは……杖だぞ?」

ギース
「だから有名なんじゃねえか」

???
「儂は魔術師だ」

???
「ゆえに聖剣なんぞには興味はない。
だが、奴らにひと泡吹かせるというのなら、儂も乗ってやろう」

パウロ
「本当か!? 助かる。
俺はパウロ、よろしくな!」

タルハンド
「儂は巌しき大峰のタルハンド。
タルハンドと呼ぶがよい」

パウロとタルハンドが握手を交わす。
その傍らでギースが溜め息をついた。

パウロ
「なんだよ?」

ギース
「タルハンドは頑固で有名な男なんだ。
だから固定のパーティメンバーを持てなくて苦労してるって聞くぜ」

タルハンド
「いかにも。儂がメンバーでは不服か?」

ギース
「不服ってわけじゃねえよ。
あんたはソロ冒険者の中では比較的まともなほうだ」

ギース
「ただなぁ……このふたりをまとめんのが、俺の役目なんだと思うと、胃の辺りがギリギリ痛むっつーかさ……」

パウロ
「? お前も来るのか?」

ギース
「……は?」

パウロ
「ロード・オブ・ジャッジメントに目をつけられたくないとかどうとか言ってただろ?」

パウロ
「一緒に来るってことは、一緒にケンカ売るってことだぜ?」

ギース
「お前ってヤツはよぉ……!」

パウロが首を傾げると、ギースはプルプル震えたかと思うと、吠えた。

ギース
「俺を置いてくつもりだったのか!?」

ギース
「俺はてっきり何も言わなくてもメンバーの数に入れられてると思ってたよ!」

パウロ
「悪い悪い」

ギース
「謝罪が軽い!
ちっとも誠意を感じねえな!」

パウロ
「まあまあ、落ちつけって」

パウロ
「何はともあれ、これで3人だな。
剣士と魔術師とシーフか」

タルハンド
「なるほど、この男はシーフか。
前衛がひとりで問題ないのか?」

パウロ
「ああ」

ギース
「うそつけ。
最低でも、もうひとりいるだろ。
背後から攻撃されたらどうすんだ」

女剣士
「人数が足りないの?
だったら私が入ってあげる」

ギース
「! お前は? 剣士か?」

女剣士
「うん、腕はそこそこ立つよ。
あのいけ好かない男をギャフンと言わせるつもりなら協力する!」

ギース
「……ってことらしいが、どうすんだ?」

パウロ
「採用!!」

パウロ
「ムサい男でもいいって言ったけど、やっぱり女の子がいたほうがいいぜ!
元気になる! やる気が出る! なっ!」

タルハンド
「………………」

ギース
「こういうヤツなんだよ……」

呆れたような視線と、諦めたような視線を浴びながらも、パウロは急ごしらえのパーティを組むことができた。

翌日――。
パウロたちは早朝から動き出した。

タルハンド
「急ごしらえとはいえ、パーティ結成からまだ数時間……。
もう動き始めるのか?」

パウロ
「当然!
アイツらより前に遺跡に行くには、先に行動しなきゃだろ?」

タルハンド
「理屈はわかるが、ちゃんと遺跡の場所は把握しとるんじゃろうな?
儂らはロクに情報収集もしておらんぞ」

パウロ
「その辺は抜かりねえ。
なあ、ギース」

ギース
「ああ。そういう情報収集に関しては、日頃からバッチシやってっからな。
位置も道筋も完璧だ」

女剣士
「だったら早く行こうよ!
ロード・オブ・ジャッジメントなんかに負けないぞー!」

パウロ
「おおーっ!」

ギース
「……楽しそうで何よりだよ、うん」

遺跡は町から3日ほど歩いた森の中にある。

3日目の夜、パウロたちは遺跡の前まで辿りつき、攻略に取りかかったのだが――。

パウロ
「な……んだよ、ここはぁ!?」

襲撃してきたキラーモールを切り捨てる。
遺跡を進むにつれて魔物の襲撃が増えた。
その数は尋常ではない。

女剣士
「ふぎゃ!」

ギース
「おっと! 気をつけろ!
床に仕掛けがあるぞ!」

パウロ
「あちこち罠が仕掛けられてる上に、遺跡自体が魔物の巣になってやがる!」

ギース
「最奥にはガーディアンっつー、すげぇ魔物もいるって話だぜ……」

パウロ
「ビビんなよ、ギース!
お前ら、前進あるのみだ!
ヤツらに追いつかれる前に最奥にたどり着くぞ!」

タルハンド
「簡単に言ってくれる。
この数のキラーモールを突破するだと?」

パウロ
「なんだ? できねえの?」

タルハンド
「フン……余裕じゃわい」

ギース
「!! おい! 後ろからもきてるぞ!」

女剣士
「背中は私に任せて!」

パウロ
「ああ! 頼んだぞ!」

急ごしらえの臨時パーティとは思えないほど、パウロたちの勢いはすさまじかった。

罠を解除し、キラーモールを倒し、更にはその上位種のキラーヘッジホッグまで相手取り、遺跡を進んで行く。

パウロ
「この鉄扉が最奥か……」

パウロ
(空気が重い。
直接見なくてもわかるぜ)

パウロ
(強敵がいやがる)

ギース
「お、おい、パウロ……」

先頭にいたパウロが足を止めて黙りこんだことで、異常に気づいたギースがおそるおそる口を開いた。

ギース
「この先は……明らかに、ヤバい、よな?」

パウロ
「ああ」

ギース
「それでも、行くんだな?」

パウロ
「当たり前だろ。
ここまで来て引き返すわけねえ」

パウロ
「お前ら、戦術の確認だ。
遠距離攻撃をしてくるような相手なら、俺がちょい後ろに下がる」

パウロ
「近距離攻撃が主体なら離れるのは危ねぇ。
俺たち剣士の援護も兼ねて、タルハンドも前の方で戦ってくれ」

タルハンド
「問題ない」

パウロ
「ギース、いざって時は――」

ギース
「ああ、わかってる。
いざって時は煙幕だろ?
撤退の合図も任せとけ。聞き逃すなよ?」

女剣士
「わかった!
絶対に聖剣を手に入れよう!
それで町に帰ったら、その……えへへ……」

パウロ
「ああ、そうだな」

頬を赤く染める女剣士の姿に、ギースが深く溜め息をついた。

ギース
「臨時とはいえ、パーティの仲間に、手ぇ出そうとしてんじゃねえよ……」

パウロ
「うるせえ。
べつにいいだろ」

パウロ
(町に戻ったらパーティも解体だしな)

緊張で重苦しく張りつめていた空気がゆるむ。
身体から無駄な力が抜けた。

パウロは足を進めると、最奥へと続く重い鉄扉を押し開ける。

そこには空間が広がっており、部屋の最奥には乙女の像があった。

ギース
「純白の衣装……ってことは、『聖なる者』の像か!」

パウロ
「じゃあ、あの像が捧げ持ってる剣が……」

パウロ
「聖剣か!!」

タルハンド
「はしゃぐでない!
像の足元を見よ。あれは……」

像の足元には1匹の魔物がいた。
異様な雰囲気を放つ、鞭のごとき尻尾を持つ6本足の大型獣。
その特徴的な姿の名を知っている者がいた。

ギース
「フェンリスヴォルフ……」

ギース
「アイツがガーディアンだってのか!?
む、無理だ! 勝てっこねえ!」

パウロ
「そんなにヤバいのか?」

ギース
「こいつぁな!
魔大陸でS級と恐れられてる、狡猾な魔物なんだよ!」

パウロ
「だからって、今さら引けるかよ!
いくぞ! 接近戦だ!!」

パウロが飛び出すと、タルハンドたちがあとに続く。

ギース
「ええい、もうヤケだこんちくしょう!」

少し遅れてギースも飛び出す。
その頃にはパウロの剣はフェンリスヴォルフの爪と交差していた。

フェンリスヴォルフ
「ガアアァァァ!」

パウロ
「くっ……おっ……ちょ……待てこら……!」

剣を振るって爪を受け流すように弾き、攻めに転じるタイミングを計る。
だが……。

パウロ
(攻撃に、移れねえ……!)

パウロ
(俺の剣が通じねえってのか!?)

これまでに剣の達人をはじめ、水神とまで剣を交えたことがある。
もちろん魔物とだって戦った。

パウロ
(なんでだ!?)

タルハンド
「土槍(アースランサー)!」

フェンリスヴォルフの足元から鋭い土の槍が飛び出し、心臓めがけてつき上がった。

フェンリスヴォルフ
「ゴアゥ!」

フェンリスヴォルフは飛び上がり、土の槍を回避した。
そして自分に向けて攻撃をした相手を即座に確認すると、一足飛びで飛びかかる。

タルハンド
「ぬうぅ!?」

女剣士
「退いて!!」

女剣士がフォローに入った。
パウロも素早く移動して陣形を整えようとするが、それよりも早く魔物が飛び上がる。

ギース
「え」

魔物が標的に定めたのはギースだ。

ギース
「お、俺!?」

パウロ
「ギース! 足止めんな!!」

ギース
「わ、わかってるよ!
つっても……どこに行けば……!」

パウロ
「こっちに来い!」

タルハンド
「岩砲弾(ストーンキャノン)!」

タルハンドは魔法を放ってフェンリスヴォルフの注意を逸らそうとした。
同時にパウロも動く。

フェンリスヴォルフは攻撃を避け、そのままギースに攻撃をしかけた。

パウロ
(届け……!)

ギースとフェンリスヴォルフの爪の間に、なんとか身体を滑り込ませる。

防戦一方。
結局のところ振り出しに戻っただけだ。
陣形は崩れ、打開策も見当たらない。

ギース
「パウロ! ここまでだ!」

パウロ
「クソッ!!」

背後でギースが限界を告げる。
パウロは悔しさを顔に滲ませながらも、叫んだ。

パウロ
「撤退だ! 一旦退くぞ!!」

とはいえ退却も簡単なことではなかった。

足があまり早くないタルハンドや、戦う術を持たないギースを先に行かせて、パウロと女剣士でしんがりを務める。

なんとか部屋を飛び出し鉄扉を閉めた。
そして魔物が襲ってこない場所に身を隠した時、パーティはひどく疲労していた。

パウロ
「みんな大丈夫か?」

ギース
「……ヘヘッ、なんとか、な……」

タルハンド
「しかしどうしたもんか……。
儂らだけでは手に負えんぞ」

女剣士
「外に出て援軍を頼む?」

ギース
「誰が手助けしてくれるんだよ。
言っておくが、驚くほどパウロの人望はねえぞ?」

パウロ
「うるせえ!
お前らもたいして変わんねえだろ!」

パウロ
「とにかく、なんかいい作戦がないか考えるんだよ!」

パウロ
「ものすごい作戦が思いつくかもしんねえし、どんなことにも対応できるように、今は身体を休めとけ」

タルハンド
「ああ、そうだな」

みんな頭を働かせながら休息を取った。
しかし、誰も何も思いつかないまま、時間だけがすぎていく。

どれくらい時間が経っただろう。
不意に、重い鉄扉を開ける音が聞こえた。

パウロ
「!! 今のは……」

タルハンド
「何者かがあの中に入ったか」

パウロ
「何者かって……、そんなのアイツらしかいねえだろ」

気配を殺して鉄扉の元へ戻って、中を覗く。

予想通り、中ではロード・オブ・ジャッジメントがフェンリスヴォルフとの戦闘を繰り広げていた。

トースマン
「くっ……畜生!」

パウロ
(トースマンの剣……フン。
口だけじゃなかったみたいだな)

パウロ
(でも、そんなヤツが率いる、A級のパーティでも苦戦してるのか)

トースマンの力が突出しているのは、見ていてよくわかる。他のメンバーも実力者が揃っているようだがリーダーほどではない。

冒険者
「ひい……ひい……」

エリナリーゼ
「止まらないで! もっと動き回って!
ほら、こっちですわよデカブツ!」

エリナリーゼ
「もう! なんでわたくしの方を向かないんですの!」

パウロ
(フェンリスヴォルフは強い相手を避けて、弱いヤツを選んで狙ってやがる)

パウロ
(どんどん陣形が崩れて、動きが悪くなってるな)

パウロ
(……そうか!
俺たちもこんな風にかく乱されてたのか)

接近戦が不得意なタルハンドやギースを狙うことで、前衛の本来の位置を大幅にずれていた。

トースマンの動きを見て、フェンリスヴォルフが標的を変える。

エリナリーゼ
「!? きゃあっ!!」

エリナリーゼをフェンリスヴォルフの牙が襲う。
彼女はなんとか魔法で攻撃をかわしたが、強敵と向かい合うことになった。

エリナリーゼ
「トースマン! このままでは――」

トースマン
「ああ、わかってる。
このままじゃ俺たちは全滅だ!」

トースマン
「仕方ねえ……撤退だ!」

冒険者
「て、撤退ったって、どうやってこのバケモンから逃げるんだよ!?」

トースマン
「囮を使う」

トースマンの目線の先には、パーティメンバーのひとりがいた。

エリナリーゼ
「え……」

トースマン
「仲間のためだ! わかってくれるだろ?
なあ、エリナリーゼ?」

エリナリーゼ
「トースマン! 何を言ってますの!」

エリナリーゼ
「あなただって、フェンリスヴォルフの強さは見たでしょ!?
わたくしだけでさばける相手ではありませんわ!」

トースマン
「うるせえ!
最小限の犠牲で済むように判断するのが、リーダーの役目だ!」

エリナリーゼ
「だからわたくしを切ると!?」

トースマン
「そりゃそうだろうよ!
パーティの仲間と情婦だったら、情婦を切るに決まってる!!」

エリナリーゼ
「!? わ、わたくしは、仲間ではないと……?」

その質問にトースマンは答えなかった。
ただ鼻で笑って、エリナリーゼを放置して撤退を始める。

冒険者
「お、おい、トースマン!
本気でエリナリーゼを置いてくのか!?」

トースマン
「ああ? 文句があるなら、てめぇも残るか?」

パーティのメンバーは迷うようにエリナリーゼとトースマンを見たが、やがて小声で「お前に、従う……」と同意した。

ロード・オブ・ジャッジメントが撤退を始める。
鉄扉から逃げようとする行く手を、塞ぐ人物がいた。

パウロ
「お前ら、クソだな」

トースマン
「てめぇは……フン、そこを退け!」

パウロ
「仲間を……それも女を囮にして、自分たちだけ逃げようってのか!?」

パウロ
「A級パーティってのはこんなもんか!?
お前らそれでも男か!?
ちゃんとキンタマついてんのかよ!!」

トースマン
「うるせえ! 冒険者を生業にしてたら犠牲はつきものだ!」

トースマン
「それに撤退は立派な戦略だ!
あの魔物を見ろ!」

トースマン
「馬鹿みてえに強ぇ!
敵の力も読めねえわけじゃないだろ!?
全滅するわけにはいかねえんだよ!」

そう吠えると、トースマンはパウロを押しのけて、出て行ってしまった。

ロード・オブ・ジャッジメントのメンバーは、蒼白になった顔で後ろを振り返りながらも、トースマンについて行く。

パウロ
「クソヤロウ共が!!」

怒り心頭。
キレるパウロの肩をギースが叩く。

ギース
「おい、どうするつもりだ?」

パウロ
「そんなことわかりきってんだろ。
だけど、これは俺のワガママだ。
強制はしねえ」

ギース
「……はぁ。
お前の女好きにも困ったモンだぜ。
ま、もう慣れたけどな!」

タルハンド
「ここまで共に戦った以上、途中で抜けるような真似はせぬ。
最後までつき合おう」

女剣士
「私もやるよ!
ここで別れたらパウロと楽しいコト、できなさそうだし!」

パウロ
「お前ら……」

パウロはグッと唇を噛むと、剣の柄を強く握りしめた。

パウロ
「……行くぞ!
フェンリスヴォルフと2回戦だ!」

エリナリーゼは実力者だが、フェンリスヴォルフの対応をひとりではできない。

パウロは地面を強く蹴って駆け寄ると、宙に飛んで剣を振りかざした。

パウロ
「おおぉぉぉぉっらぁ!」

パウロの一撃を魔物が回避する。
攻撃は外れたが、エリナリーゼに近づくことができた。

女剣士
「はああぁぁああぁ!!」

タルハンド
「岩砲弾(ストーンキャノン)!」

女剣士が追撃し、タルハンドが援護する。
フェンリスヴォルフが距離を取り、パウロたちは即座に陣形を作り出した。

エリナリーゼ
「あなたたち……!」

パウロ
「酒場で言ったろ? 情けねえヤツだって。
てめぇの薄情なリーダーに代わって加勢してやるよ!」

エリナリーゼ
「どうして……」

パウロ
「俺はパーティとか仲間とか、正直よくわかんねえ。
誰かと組むのは苦手だしな」

パウロ
「でも俺は例え短い間の期間限定パーティでも、組んでる間は全力で守るし、仲間として支え合う」

パウロ
「俺でさえそうなのに、A級のパーティが仲間を囮にする?
ふざけんな! 冒険者ってのはそうじゃねえだろ!」

エリナリーゼ
「怒ってくれているの……?
わたくしの、ために……?」

パウロ
「お前のためじゃねえ」

パウロ
「俺はな!! 仲間を……それも女を!
囮にして逃げるところを見て、黙ってらんねえんだよ!」

エリナリーゼ
「……!」

パウロは吠える。
不器用で、真っ直ぐで、自分本位でしかない言葉だが、それは不思議とエリナリーゼの胸を打った。

パウロ
「泣いてる場合かよ。
お前も戦えるんなら、やることやんぞ」

エリナリーゼ
「……ええ! もちろんですわ!」

パウロ
「っしゃ、いくぜ!」

パウロの掛け声を皮切りに、戦闘が再開された。

一進一退の攻防。
フェンリスヴォルフの狙いはわかっている。
戦闘能力の低いギースや、足の遅いタルハンドだ。

パウロ
(狙いさえわかってんなら、対処のしようがあるんだよ!!)

それに加えて今回は、エリナリーゼがいた。

パウロが攻め、女剣士が追撃し、タルハンドが魔術で追いつめ、エリナリーゼが反撃を食い止める。

ギース
「すげえ……これが初めて組むパーティかよ。
ヘヘッ、きれいな、連携だな……」

一撃、また一撃と攻撃を加えていく。
魔物の身体から血が吹き出し、次第に動きが鈍くなっていった。

エリナリーゼ
「やあああぁぁぁぁ!」

フェンリスヴォルフ
「グガアアァァアアァ……ア、ァ……」

最後の一撃はエリナリーゼだった。
彼女のエストックが、フェンリスヴォルフの眉間へと突き込まれた。

ギース
「う、動きが止まったぞ……」

パウロ
「か、勝ったのか……?」

エリナリーゼ
「勝ったんですわ!」

タルハンド
「勝ったのだ!」

女剣士
「勝ったよ!」

全員
「うおおおおおぉぉぉ!」

全員が武器を持ち上げ、勝鬨を上げた。
まぎれもなくパウロたちの勝利だ。

パウロ
「あ!」

喜びの中、パウロは当初の目的を思い出す。
聖剣。
それを求めてここまでやって来た。

パウロ
「これが……」

ガーディアンは倒した。
乙女の像が捧げ持つ聖剣を手に入れるため、パウロは手を伸ばす――。

トースマン
「待ちな!!」

パウロ
「トースマン?」

パウロ
「お前、逃げ帰ったんじゃないのか?」

トースマン
「その剣は、俺らのものだ。
触るんじゃねえ」

パウロ
「……はぁ?」

質問に答えが返ってこない。
その代わりに吐き捨てられた言葉に、パウロは唖然としてトースマンを見た。

パウロ
「お前、正気か?
逃げ帰ろうとしてたヤツが今さら、とぼけたこと言ってんじゃねえよ」

トースマン
「とぼけたこと言ってんのは、てめぇのほうだろ?」

トースマン
「パウロ、てめぇだって知ってるはずだぜ」

トースマン
「2つ以上のパーティが同じ魔物と戦った場合、トドメを刺した奴がいるパーティが素材や報酬をいただく。
冒険者同士の暗黙の了解だ」

パウロ
「それがどうしたよ。
お前には関係ねえだろ」

トースマン
「いいや、大アリだ」

トースマン
「ずっと見てたが、トドメを刺したのはエリナリーゼだった。
エリナリーゼは俺のパーティだ。
だから、聖剣を手に入れる権利があるのは、俺だ!!」

パウロ
「お前……、それ本気で言ってんのか……?」

エリナリーゼ
「トースマン!
あなた、さすがにそれはないのではなくって?」

トースマン
「ハッ! 何がねえんだよ。
実際トドメを刺したのはお前だぜ?」

トースマン
「ロード・オブ・ジャッジメントのエリナリーゼ・ドラゴンロードがトドメを刺した!」

トースマン
「なら、ロード・オブ・ジャッジメントのリーダーである俺には権利がある!」

パウロ
「お前!!
自分がエリナリーゼに何したか忘れたのか!?」

パウロ
「囮に使ったんだぞ!?
そのくせ手柄だけ持ってこうってのか!?
プライドも何もねえのかよ!」

パーティに縁がなかったパウロでも、暗黙の了解のことは知っていた。
それでもトースマンの態度には怒りが湧いてくる。

トースマン
「うるせぇ! プライドだぁ!?」

トースマン
「パーティは壊滅状態、俺が最後まで無様に逃げまわってたと知れりゃあ、今まで築いてきた名声も地に落ちる!!」

トースマン
「聖剣ぐらい持ち帰らねえと、ワリに合わねえんだよ!
プライドっつーなら、これが俺のプライドだ!!」

エリナリーゼ
「冗談じゃありませんことよ!
そんなことを喚き散らされた日には、ロード・オブ・ジャッジメントの名は失墜させますわ!」

トースマン
「な、なんだと!?」

エリナリーゼ
「わたくしを捨てたのはあなた!
捨てられていつまでも縋るほど、わたくし、弱い女じゃありませんの!」

エリナリーゼ
「あなたがわたくしをロード・オブ・ジャッジメントだと言うのなら!
こっちから抜けてやりますわ!」

エリナリーゼ
「パーティを抜けるのにリーダーの許可は必要ありません!
粗野だけど見どころのある男だと思ってたのに、とんだ小物でしたわね!」

冒険者
「……お、俺も抜けるぞ!
これ以上アンタについていけねえ!」

トースマン
「てめぇぇらぁぁぁ!」

エリナリーゼたちが宣言すると、トースマンの顔が怒りで真っ赤に染まった。
彼が腰の剣を抜き取る。

トースマン
「どうしても剣を渡さねえなら、ここで全員片づけてやる!」

パウロ
「5対1だぞ。
本気でやるつもりか?」

トースマン
「ハッ! 疲弊しきったてめぇらなんざ、俺の敵じゃねえよ!」

パウロ
(確かに、アイツはほぼ無傷だ)

パウロ
(フェンリスヴォルフっていう窮地を切り抜けたのに、こんなことで誰かが死ぬかもしれねえ……)

パウロの決断は早かった。

パウロ
「……わかった。
そこまで言うなら、聖剣はお前にやる」

ギース
「パウロ!? 何言ってんだよ!」

パウロ
「考えてみりゃあ、俺たちだけじゃ倒せなかった。
エリナリーゼがいなかったら、ここで野垂れ死んでたかもしれねえ」

パウロ
「それに、暗黙の了解もそうだ。
ロード・オブ・ジャッジメントが剣を取るのも、ま、筋が通ってないわけじゃないしな」

トースマン
「へ、へへ……物わかりがいいじゃねえか」

パウロ
「ここまで来て、お前のワガママで誰かが死ぬのはつまんねぇと思っただけだ」

パウロ
「ただ、渡すのは聖剣だけだぞ。
フェンリスヴォルフの素材はいただく」

トースマン
「ヘヘ。ああ、いいぜ、好きにしな……」

トースマンがパウロの横を通って聖剣を取りに行く。
ギースがパウロの元に駆け寄ってきた。

ギース
「お前いいのかよ!
聖剣が欲しかったんだろ!?
そのためにここまで来たんだろ!?」

パウロ
「いいんだよ。
珍しい素材は手に入るんだ。
無駄足にはなんねえだろ?」

ギース
「そういう問題じゃ――」

トースマン
「そんなバカな……!」

ギースが言葉を続けようとした時、トースマンの声が響いた。
何ごとだと彼を見ると聖剣を手に呆然としている。

トースマンが剣を鞘から引き抜くと――。

トースマン
「剣が、ねえ……?
鞘だけじゃねえか!!
どうなってやがるんだよ!!」

タルハンド
「模造品か」

パウロ
「模造品?」

タルハンド
「おそらく、元から模造品を祀っておっただけなのじゃろうな」

タルハンド
「何も珍しいことではない。
レプリカだろうがなんだろうが、信じる者にとっては充分に御神体になる」

トースマン
「バカな……そんなバカな……!」

トースマンは呆然として、その場に膝から崩れ落ちた。
彼は名声もプライドも失っただけで、何も手に入れることができなかったのだ。

エリナリーゼ
「オーッホッホッホ!
わたくしたちを見捨てようとしたバチが当たったんですわ!」

冒険者
「ヘッ、ざまぁねえなリーダー」

元パーティのふたりがトースマンをあざ笑うが、もはや彼には怒る気力もないようだった。

やがてトースマンはふらつきながら出て行ってしまう。
パウロたちは素材などを回収してから、遺跡を離脱することにした。

パウロ
(模造品……このために命をかけたのか。
で、アイツは全てを失った……)

パウロ
(せめて仲間を大事にしてればな。
少なくともパーティは残ってたはずだ)

パウロはトースマンが残していった聖剣の模造品を拾う。

ギース
「ん? そんなんどうすんだよ?」

パウロ
「戒めにもらっとこうと思ってさ」

ギース
「戒め? どんな?」

パウロ
「アイツみてえにならないように、ってな!」

数日後――。

町に帰還したパウロたちは、素材を売り払い、その金を持って酒場に繰り出した。

パウロとギース、タルハンド、女剣士で、山ほど料理と酒が並ぶテーブルを囲む。

パウロ
「あー……今回は助かった。
聖剣は手に入らなかったけど、いい経験になった」

パウロ
「これでパーティは解散だ。
もともと、そういう話だったしな」

ギース
「……ま、そうだよ、な」

パウロ
「だから、改めて頼む!
今度は正式に!
俺とパーティを組んでくれ!」

パウロが声を上げる。
ギースたちは目を見開いていた。

パウロ
「パーティの名前は……んー、そうだな……。
すぐには思いつかねえし、とりあえず『ロード・オブ・ジャッジメント』をもらっとくか」

パウロ
「なあ! これからも一緒に冒険しようぜ!」

パウロが前のめりで誘うと、ギースたちは顔を見合わせて、肩をすくめる。

ギース
「……ま、これまでのつき合いもあるしな。
お前と一緒だと面白いってのもわかってる」

ギース
「だから、いいぜ!
お前につき合ってやるよ!」

ギース
「ま、そのパーティ名はナシだけどな」

ビシッと指をさされながら否定されて、パウロは眉を寄せた。
そんな彼の腕を女剣士が引く。

女剣士
「うーん、私は……ゴメンね。
パウロとの冒険は楽しそうだけど、こういう戦いはこりごりだよ」

女剣士
「でも! 約束は守ってね!
今夜は、その……えへへ……!」

パウロ
「ああ! それはもちろん!」

もじもじして恥じらいをみせる彼女に、パウロはデレッとにやけた表情を浮かべた。

ギース
「おい! 俺への反応はねえのかよ!
なんかあるだろ? ありがとうとか、心強いとか!」

声を上げるギースにパウロは首を傾げる。

パウロ
「お前は今さらだろ。
入ってくれるってわかってた」

ギース
「お、おう……!」

パウロ
「……タルハンドは?」

黙って話を聞いていたタルハンドが、返事をせずに一気に酒をあおる。

タルハンド
「……儂は、まだパウロのことをよくわかっておらん。
だから……飲み比べだ!」

パウロ
「飲み比べ?」

タルハンド
「どうする? 受けて立つか?」

パウロ
「ああ! やってやるぜ!」

ギース
「本気かよ?
タルハンドがすげえ飲むってのは、有名な話だぜ?」

パウロ
「いいさ!
俺が勝たなきゃ仲間にはならねえとか、そういう話じゃねえしな」

タルハンド
「うむ、そうじゃな。
儂はあくまでどういう人間かを見たいだけだ」

パウロ
「じゃあたっぷり見せてやるよ。
だからって負けるつもりはねえけどな!」

パウロとタルハンドは飲み比べをはじめたが、決着はなかなかつかなかった。

遺跡で稼いだ金がなくなるほど酒を飲み……。
この日パウロは人生で初めて、女の子との夜の約束を果たすことができなかった。

何はともあれ、酒のにおいが満ちた酒場で、男3人の、パウロ曰くムサいパーティ、ロード・オブ・ジャッジメント(仮)が結成されたのである――。



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