パウロ外伝 冒険者引退編2話【S級パーティー】


ゼニスがCランクへの昇格を果たしたとはいえ、冒険者ランクAの黒狼の牙に正式に加入するためには、もうワンランク昇格しなければならない。

とはいえ、ゼニスはすでに仲間たちに受け入れられており、その扱いはメンバーと同じ……否、彼女は誰よりも大切に扱われ、可愛がられていた。

黒狼の牙が集まる酒場には、ギルドで知り合った男の宿へしけこんで行ったエリナリーゼ以外のメンバーが揃っている。

ギレーヌ
「次の依頼はあたしが一緒に行く。
だから安心して好きなものを選ぶといい」

ゼニス
「いいの? 黒狼の牙の依頼もあるんでしょう?」

ギレーヌ
「問題ない」

ゼニス
「本当に? だったらお願いするわ。
ギレーヌと一緒なら心強いわね!」

にこにこと無邪気に笑うゼニスに、ギレーヌも目を細めて笑みを返す。
和やかな雰囲気のふたりの元へギースが近づいた。

ギース
「俺も行くぞ。
世間知らずふたりで仕事ってのは、放っておけねえからな」

ゼニス
「わあ! ギースが一緒なら、美味しいごはんが食べられるわね!」

ギレーヌ
「ああ。楽しみだ」

パウロ
「じゃあ、俺も――」

ギース
「Cランクの仕事に、お前まで来てどうすんだよ。
ギレーヌがいれば戦力は充分だ」

口を挟んだパウロの言葉を、呆れた表情のギースがさえぎる。
パウロは眉を寄せて、面白くなさそうな顔をした。

パウロ
「……俺はいらねえって?」

ギース
「あのな、考えてもみろ。
お前とギレーヌがふたりで手伝ったとして、Cランクの討伐依頼で治癒術師が必要になるか?」

パウロ
「ならねえな。瞬殺だ」

ギース
「わかってんじゃねえか。
ゼニスが腕を磨く機会を奪ってやるなよ」

パウロ
「ぐっ……お前に言われてってのは癪だが、わかった」

ゼニス
「パウロ、ありがとう。
今回は気持ちだけ受け取っておくわね」

ゼニスがパウロに微笑みかける。
面白くなさそうな顔をしていたパウロの表情が、ふっとやわらいだ。

パウロ
「今回はギレーヌに譲ってやるか。
次は俺と行こうぜ」

タルハンド
「うむ、ではその時は儂も同行しよう」

パウロ
「!? タルハンドはいいんだよ!
俺ひとりで充分だから!」

ギース
「バカなこと言うな。
お前とゼニスをふたりきりで送り出すわけねえだろ」

パウロ
「はぁ!? なんでだよ!」

ギース
「その手のことに関して、お前の信用値はゼロだからだ」

ゼニス
「その手?」

何もわかっていない様子でゼニスが首を傾げる。
全て理解しているタルハンドは、いかにもと言わんばかりに何度も頷いていた。

ゼニスはまだ15歳で、黒狼の牙の誰よりも年下だ。
そのため、みんながみんな自身の妹にでも接するように、過保護なまでに可愛がっている。

誰もがゼニスに手を貸したがり、また、女であれば見境なく手を出すパウロとふたりきりにするのを阻止していた。

パウロ
「テメェら……!」

口の端がひくつくが、怒鳴り散らすこともできない。

パウロ
「ああ、そうかよ!
お前らの考えてることはよーくわかった!」

今回はおとなしく引き下がることにして、パウロはゼニスに向き合う。

パウロ
「なあ、ゼニス」

ゼニス
「うん?」

パウロ
「早くBランクに上がれよ。
で、一緒に大きな仕事しようぜ」

ゼニス
「うん! 早くみんなと同じ仕事ができるように、私もがんばるわ!」

黒狼の牙のメンバーは実力者揃いだ。
その手伝いもあり、ゼニスはCランクの依頼を迅速に、確実にこなしていった。

そして、そうあまり時間が経たないうちに、黒狼の牙への加入が認められるBランクへの昇格を果たしたのである――。

ゼニス
「これが……」

ギルドで冒険者カードを凝視するゼニスの目は、キラキラと輝いていた。
心なしかカードを持つ手が震えている。

ゼニス
「っ……」

名前:ゼニス・ラトレイア
性別:女
種族:人族

年齢:15
職業:治癒術師
ランク:B

パーティ:黒狼の牙(A)

新たに記されたパーティの部分から目が離せないでいるゼニスの肩を、パウロが抱き寄せた。

パウロ
「やったな! これで正式に、ゼニスも黒狼の牙のメンバーだ!!」

ゼニス
「……うん!
こんなに早く仲間になれるなんて、思ってなかった……みんなのおかげよ!」

パウロ
「何が『こんなに早く』だよ。
その言い方だと、これまでは仲間じゃなかったみたいだろ。
俺たち、もうとっくに仲間になってたはずだぜ?」

喜びのあまりハグをするふたりは、人の目がなければ今にもくるくる回って躍り出しそうな勢いだ。

タルハンド
「あれは引き離さんでいいのか?」

エリナリーゼ
「まあ、許容範囲ですわね。
……ギリギリではありますけれど」

ギレーヌ
「あ。パウロが顔を近づけてるぞ」

ギース
「喜びのあまりキスってか?
それはダメだろ!」

過保護発動。
黒狼の牙のメンバーはパウロたちに飛びかかり、ふたりを引き離した。

パウロ
「何すんだ、テメェら!」

ギース
「お前こそ!
どさくさに紛れて何しようとしてやがった!?」

エリナリーゼ
「わたくしたちが見過ごすと思いまして?」

ギルドで騒ぐパーティにあちこちからもの言いたげな目が向けられるが、黒狼の牙に口を出そうとする者はいない。

こうして、本人たちは毛ほども気にしていないが、周囲からの視線がつき刺さる中、ゼニスは正式に黒狼の牙に仲間入りしたのだった――。

新たに治癒術師を仲間に加えた黒狼の牙は、Aランクの仕事を順調にこなしていく中で、少しずつ戦い方に変化が現れていた。

パウロ
「ギレーヌ、つっ込むぞ!」

ギレーヌ
「ああ」

魔物の群れの中に前衛が突撃して剣を振るう。
回復役が加入したことにより、これまでよりも深く切り込めるようになった。

ゼニス
「神なる力は芳醇なる糧、力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん、『ヒーリング』」

ゼニスの小まめな治癒魔術のおかげで、パウロやギレーヌは動きを鈍らせることなく戦うことができている。

彼女の働きはそれだけではない。
戦闘面以外でも、宿を取る手続きであったり、野営の準備であったりと、真面目すぎるほどに働いた。

ギース
「だーかーら、ゼニスは働きすぎなんだよ。
俺の仕事を取るつもりか? んん?」

宿に併設された食堂でテーブルを囲みながら、ギースはジト目でゼニスを見る。

ゼニス
「ぜんぜんそんなつもりはないわ!」

ゼニス
「それに、取るなんて無理よ。
だって、ギースの料理は美味しすぎるもの。
私には絶対に作れないわ」

ギース
「ん?」

ゼニス
「ギースの情報収集や準備は完璧だし、回収した素材の選別だってできるでしょう?
私ね、本当にすごいと思ってるのよ!」

ギース
「そっ、そうかそうか! はははっ、そんな風に言われたら悪い気はしねえな!」

パウロ
「調子に乗んな!」

ギース
「痛ッ!?」

テーブルの下でパウロがギースの足を踏んだ。
的確に小指を踏み抜いたのは、さすがAランクの冒険者と言うべきか。

ギース
「パ、パウロ……!
急に何しやがんだよ!!」

パウロ
「うるせえ! 足が滑っただけだ!」

エリナリーゼ
「嫌ですわねえ。
自分以外の男が褒められたからって、力に訴えるなんて」

タルハンド
「何が『嫌ですわねえ』じゃ。
面白いと言わんばかりの顔をしておいてよく言うわい。趣味の悪い女じゃな」

エリナリーゼ
「なんですって?
わたくしに喧嘩を売っているのなら、買ってさしあげますわよ?」

ゼニス
「!? ふたりとも、喧嘩はダメよ!
それにパウロも足を踏んでしまったなら、ちゃんと謝らないと!」

ギレーヌ
「………………」

テーブルが騒がしくなりはじめると、ゼニスが慌てて仲裁に入る。
ギレーヌは気にした風もなく料理を口に運んでいた。

パウロ
「……謝る?」

ゼニス
「ええ、そうよ」

パウロ
「俺が?」

認めたくないと言わんばかりに不服そうな顔をするパウロを、ゼニスがたしなめる。
その様子を見ながら仲間たちは肩をすくめた。

エリナリーゼ、
「ふふふ、あらあら。
これではどっちが年上かわかりませんわね」

ギレーヌ
「ああ、そうだな。
まるで姉と弟みたいだ」

パウロ
「聞こえてんぞ!」

結局ギースに謝罪することなく、パウロはエリナリーゼとギレーヌに噛みつく。

とはいえ本気で怒っているわけではないため、牙を剥かれた彼女たちも笑いながら、それぞれゼニスの隣を陣取った。

エリナリーゼ
「ギースにあたるくらいなら、自分のいいところをもっと見せればいいじゃありませんの」

パウロ
「俺のいいところ……」

ギレーヌ
「戦闘ならあたしのほうがカッコいいぞ。
ゼニスのおかげで、今までよりも自由に戦えているからな」

パウロ
「ゼニスが入る前から自由にやってただろ。
難しいこと考えずに暴れてたのは、どこの誰だ?」

胸を張るギレーヌに呆れた視線を送りながら、パウロはふと考える。

パウロ
(ゼニスが加入してからしばらく経つけど、問題なくAランクの依頼をこなせてる)

パウロ
(……これならいけるか)

ひとりで勝手に納得し、パウロは唐突にその思いつきを言い放った。

パウロ
「迷宮行こうぜ」

ギース
「はぁ!?」

ゼニス
「迷宮!?」

パウロ
「ああ、しかもその辺の迷宮じゃねえ。
Sランクの冒険者でさえ挑戦を避けるっていう、最難関の迷宮だ!」

タルハンド
「本気か? 思いつきで踏破できる、甘い場所ではないぞ?」

パウロ
「思いつきってわけじゃねえよ。
前から考えてたことだ」

パウロ
「黒狼の牙にもゼニスって回復役が入ったし、仲間として完全に溶け込んでる。
そろそろ頃合いだろ?」

タルハンド
「ふむ……」

タルハンド
「一理あるが、ゼニスはこれまでに一度も迷宮に入ったことがないじゃろう。
いきなり高難易度の迷宮へ行くのは危険じゃ」

パウロ
「それは……まあ、そうだけどよ……」

ゼニス
「………………」

ゼニスの顔色を窺うと、初めての迷宮挑戦に緊張しているのか、表情が硬い。
パウロは彼女にグッと顔を近づけた。

ゼニス
「!」

顔の近さに驚いて、ゼニスが慌てて距離を取る。

パウロ
「そんな顔するなよ。
タルハンドの言うとおりだ。
まずは手頃な迷宮に入ろう」

パウロ
「で、ゼニスが探索に慣れたら、その時こそ最難関の迷宮を攻略しようぜ。
それならいいだろ?」

パウロ
「俺のカッコいいところ、見せてやるからさ!」

パウロが自信に満ちた顔で笑う。
するとゼニスの表情が少しずつ和らいでいった。

ゼニス
「あなたは、いつも自信満々なのね」

パウロ
「いい女の前だからな」

ゼニス
「パウロったら……。
私、その手の冗談は嫌いだわ」

ゼニスがフッと目を逸らす。
敬虔なミリス教徒である彼女はその手の話題を、あまり得意としない。

それがわかっているパウロは「悪い悪い」とあっさり謝った。

そして数日ののち、黒狼の牙はゼニスにとって初めてとなる迷宮の攻略に挑んだ――。

ゼニス
「ここが迷宮……」

パウロ
「ああ。面白そうな場所だろ?」

ゼニス
「お、面白そうって……怖くないの?」

ゼニス
「私に合わせてくれてるって言っても、迷宮は、これまでにたくさんの冒険者が挑戦して、命を落としてきたような、危険な場所なのよ?」

パウロ
「ははっ、だからワクワクするんだ。
自分がどれほどのモンか試すのに、迷宮はうってつけだしな」

軽い調子で笑うパウロに、ゼニスは呆気に取られて目を丸くする。

ギース
「パウロはこういうヤツなんだよ。
こんな自信家がリーダーだと、気が抜けちまうだろ?」

ゼニス
「ふふ、そうね」

緊張していたゼニスの顔に笑みが浮かぶのを見て、パウロは改めてメンバーの顔を見わたした。

パウロ
「……よし、んじゃ始めるか。
打ち合わせどおりにいくぞ、いいな」

ギース
「了解」

パウロ
「ゼニスも準備はいいな?」

ゼニス
「……ええ。行きましょう!」

ゼニスにとって初めての迷宮攻略は、黒狼の牙のメンバーの力もあって順調に進んでいく。

パウロ
(全員、調子は良さそうだな)

パウロはにやりと不敵に笑った。
黒狼の牙は個人の戦闘力が高いパーティだが、パウロは連携や戦術にも重きを置いている。

ゼニスが加入して以来、それまで以上に連携が上手くはまっていた。

パウロ
(回復役がひとりいるだけで、ここまでやりやすくなるなんてな)

ゼニス
「回復するわ!」

Aランクの依頼に連れまわしていることもあり、正式に加入して以降、ゼニスの腕は確実に上がっている。

黒狼の牙は予定以上の速さで迷宮を進んでいき、中間地点に差し掛かったところで、野営をすることにした。

ゼニス
「ふぅ……」

ゼニス
「あ、ギース、私も手伝うわ!」

ギース
「ん? ああ、こっちは大丈夫だから、ゼニスは休んでろよ」

ゼニス
「そんな、ダメよ。
私ばっかり休むなんて……」

ギース
「つってもなー……おい、パウロ!」

パウロ
「あ?」

エリナリーゼと天幕の支度をしていたパウロは、ギースに名前を呼ばれて振り返る。

ギースとゼニスの表情を見て状況を察すると、パウロはふたりのほうへ近づいた。

パウロ
「ギース、ここはいい」

ギース
「おう、メシの準備してくる」

ゼニス
「あっ……」

ギースがいなくなると、パウロはゼニスの手を引いて壁際へ寄り、平らな瓦礫の上に腰を下ろさせた。

ふたりの間に沈黙が流れる。
先に口を開いたのはゼニスだった。

ゼニス
「私、まだまだがんばれるわ……」

パウロ
「そうは言うけど、がんばらないと進めないような状態は、大丈夫とは言わねえんだよ」

ゼニス
「っ……」

傷ついたような表情になったゼニスを見て、パウロは言葉を間違えたことに気づきハッとする。

パウロ
「って、勘違いすんなよ。
ゼニスが足を引っ張ってるなんて思ってるヤツは、ひとりもいねえぞ」

パウロ
「がんばってるのはわかってる。
だけど、初めての迷宮だ。
疲れないわけねえだろ」

パウロ
「戦闘ではお前の働きが重要になってくる。
いざって時は嫌でも無理しなきゃなんねえんだ。
休める時は休んどけ」

ゼニス
「……そうね。パウロの言うとおりだわ。
ごめんなさい、私、ちょっと意地になってた……」

ゼニスが深く息を吸った。
そうすることで気持ちが落ちついたからか、彼女の肩からは力が抜け、緊張が解けたようだ。

ゼニス
「ちゃんと休むわ。
パーティのメンバーとして役目を果たさないとね。
やっと仲間として認めてくれたんだもの」

パウロ
「やっと? ずっと前から認めてるぞ?」

どういう意味かわからず、パウロは首を傾げる。

ゼニス
「でも、初めてだったのよ。
あなたが私を『お前』って呼んだのは」

パウロ
「……そうだったか?」

ゼニス
「ええ、そうよ」

パウロが意識してのことではなかったが、言われてみればそうかもしれない。

ゼニス
「………………」

パウロ
「………………」

ゼニスとパウロの間に再び沈黙が流れる。

ゼニス
「………………」

ゼニスが何も言わずにそっとパウロから離れた。

ふたりの間に距離ができる。
パウロは首を傾げた。

パウロ
「なんだよ?」

ゼニス
「ううん、なんでもないわ」

パウロ
「だったらどうして離れるんだよ?」

ゼニス
「だって、それは……」

ゼニス
「……パウロに近づきすぎるなって、ギースたちに言われてるし……、それに……私も、そのほうがいいと思うから……」

パウロ
「……前の理由はわかるけど、ゼニスもそう思うってのは、なんでだ?」

ゼニス
「だって……私、知ってるんだもの」

ゼニス
「あなたと、ギレーヌとエリナリーゼの関係」

パウロを見据えて言葉を放つ彼女は、眉間にシワを寄せて険しい顔をしている。

パウロ
「俺たちの関係?
パーティの仲間だけど?」

ゼニス
「誤魔化そうとしなくていいわ」

ゼニス
「パーティの仲間で、男女の関係なんでしょう?」

パウロ
「………………」

実際にそうだった。
だから咄嗟に何も言うことができない。
パウロが黙ると、ゼニスは「やっぱり」と漏らした。

ゼニス
「前に……黒狼の牙に正式に加入して、Aランクの依頼をこなしていた頃に、あなたたちの関係を知ったわ……」

ゼニスがそっと目を伏せる。
パウロたち3人の関係を知ったのは、依頼の途中で立ち寄った町の古宿でのことだ――。

古宿の壁は薄い。
深夜、喉の渇きで目を覚ましたゼニスは、隣の部屋から声が聞こえてくるのに気づいた。

ゼニス
(隣は、確かギレーヌが泊まってるはず……)

耳を澄ませてみれば、聞こえてくる声はひとつではない。

ゼニス
(パウロ……?)

薄い壁越しにギレーヌの濡れた声が聞こえてくる。

ゼニス
(!! まさか、ふたりの関係って……!)

耳を抑えても声は完全には消えてくれない。
ゼニスは真っ赤な顔で夜を明かすことになった。

この時のゼニスは、ふたりが特別な関係なのだと思っていた。
冒険者のパーティで仲間同士がくっつくことは、そう珍しくはない。

エリナリーゼ
「ああっ! イイ! イイですわ!」

パウロ
「っ、ほんっと、底なしの女だな!」

エリナリーゼ
「ふふっ、ギレーヌばかりではなくて、わたくしとも、楽しみましょう?」

だからギレーヌとの関係に気づいた数日後に、パウロがエリナリーゼとも関係を持っているのだと知り、ゼニスは衝撃を受けた。

自分を妹分として可愛がってくれているふたりの、女としての姿に間近で接した時、ゼニスは以前、ギースが言っていたことを思い出した。

ギース
「バカなこと言うな。
お前とゼニスをふたりきりで送り出すわけねえだろ」

ギース
「その手のことに関して、お前の信用値はゼロだからだ」

ゼニス
(その手って、この手のことだったのね……!)

自分をパーティに誘ってくれた青年、ちょっと軽いところはあるけれど、頼りになるリーダー。
それがゼニスの持つパウロの印象だった。

それはすっかり崩れ去ってしまう。
ミリス教徒として、年頃の少女として、パウロを見る目が変わるのは当然のことだった――。

ゼニスは伏せていた目を開ける。

ゼニス
「私、パウロのことも、ギレーヌのことも、エリナリーゼのことも大好きよ。
仲間として信頼しているし、尊敬もしてるわ」

ゼニス
「だけど、それでもおかしいと思うの。
私には理解できないわ……。
特にパウロ、あなたのことを……」

ゼニス
「どうしてふたりと関係を持つの?
ううん、ふたりだけじゃない……あなたは、行く先々で女の人に手を出してる……」

パウロ
「敬虔なミリス教徒には受け入れられねえか。
教団の教義に反してるんだろ?」

ゼニス
「ひとりの相手を愛すべし――。
それが教義のひとつよ」

ゼニスは真剣な顔をしていた。
真っ直ぐな澄んだ目でみつめられると、自分が悪いことをしたような気になって落ちつかない。

ゼニス
「ねえ、パウロ……あなたにとって、たったひとりを愛すのは、そんなに難しいこと?」

パウロ
「………………」

パウロが答えられずにいると、野営の準備を終えたギースがふたりを呼びにきた。

パウロとゼニスは無言のまま見つめ合い、どちらからともなく目を逸らす。

パウロ
(たったひとりを愛す……。
ゼニスにとってはそれが当たり前なのか)

愛とは何か。
愛するとはどういうことなのか。
考えれば考えるほど、胸がざわついた。

パウロ
(わからねえことばっかだ。
けど、わかることもある。ゼニスは……)

パウロ
(ゼニスは、きれいなんだ。
外見だけじゃなくて、目には見えないトコが)

パウロ
(欲のままに手を出しちゃいけない。
大切にしなくちゃいけない、そういう女だ)

パウロの脳裏にひとりの女性の顔が浮かぶ。
もう記憶の中にしかいないその人と、ゼニスの姿が重なった。

だからだろう。
もっとゼニスと話したいと思ったのは――。

食事を終え、仲間たちが眠りについたあと、パウロはゼニスを誘う。
さっきまで話していたからか、ふたりきりの会話でも断られなかった。

パウロ
「ゼニスに言われたことを、俺なりに考えてみたけど、正直なとこ、俺にはよくわからなかった」

ゼニス
「……そう」

パウロ
「そもそも、俺がこれまで出会った女たちに向けていた感情が、愛だったのかすらわからねえ……」

パウロ
「俺が胸を張って愛してるって言えるのは、母親だけだからだ」

ゼニス
「! お母様……?」

ゼニスが目を丸くする。
まさかパウロが母親を恋しく思っているなんて、考えもしなかったのだろう。

パウロ
「貴族としての人生を捨てて、冒険者になろうってヤツの気持ちはわからなくない。
……前にそう話したこと、覚えてるか?」

ゼニス
「ええ、もちろん覚えてるわ。
私がCランクに上がった日のことね」

パウロ
「ああ……俺もお前と同じなんだ。
貴族の地位と、責任と、家と、家族と……、全部捨てて飛び出した」

そしてパウロは、これまでの人生を話し始めた。

誰にも話したことがない、ノトス・グレイラットだった頃のことも、出奔した理由も、スラムでの暮らしも、冒険者になる前のことも、自分の全てを語っていく――。

ゼニス
「……うん、うん……」

ゼニスはパウロの過去を真摯に聞いてくれた。
時には怒り、時には笑い、時には本気で涙して、パウロのこれまでの人生に寄り添ってくれる。

パウロの父や弟の仕打ちに憤り、母の愛を肯定してくれた。
彼女が示す共感が嬉しくて、彼の口はよどみなく全てを紡いでいく。

パウロ
「俺は父の理想とする後継者じゃなかった。
だから家での居場所がどんどん少なくなっていって、母が死んでからは、完全になくなった」

パウロ
「広いだけの、冷たくて、虚しいところ……。
俺にとっての家は、最後にはそんな場所になっててさ。
だから家族ごと家を捨てるのに、躊躇はなかった」

飛び出したのを後悔したことはない。
父親の訃報を聞いた時さえも、家を捨てなければよかったとは思わなかった。

パウロ
「俺は、探してたんだと思う」

ゼニス
「それは何? 何を探していたの?」

パウロ
「ずっと欲しかったもの」

パウロは小さく息を吐いて虚空を見上げる。
薄暗い遺跡の中で、彼の口は本音をこぼし続けた。

パウロ
「ここに……黒狼の牙で仲間と過ごして、父親が死に際に遺した想いってのを知って、それを手に入れたんだと思ってた」

ゼニス
「……思ってたって、その言い方、まるで今は違うみたいね」

パウロ
「ここは居心地がいいし、みんないいヤツだ」

パウロ
「だから、手に入れたんだと思い込んでいただけなのかもしれねえって、考えるようになった」

パウロ
「本当は手に入ってなんかねえのに、今以上の幸せを想像できなくて、これが望んでたものなんだって……」

ゼニス
「パウロは、何がそんなにほしかったの?
自分の居場所? 信頼できる人?」

虚空を映していたパウロの目が、隣へ向けられる。
彼女の真っ直ぐな視線を、見つめ返した。

パウロ
「愛――」

ゼニス
「え?」

パウロ
「本当に、ずっと、心の底からほしかったのは……、俺を愛してくれた『母』のように、ありのままを受け入れて、抱きしめてくれる、きれいな存在……」

パウロ
「俺は、温かい『家』が、温かい『家族』が、形はなくてもそこにある『愛』がほしかったんだ」

愛とは何かを考えて、パウロが出した答えはそれだった。

黒狼の牙は居心地がいいし、信頼できる仲間たちを家族と呼ぶことに差し支えはないのかもしれない。

だがそれはどこまでいっても、家族の『ような』存在でしかないのだと、パウロは気づいてしまった。

ゼニス
「私も同じよ」

パウロ
「っ!」

ゼニスの優しい腕がパウロを抱きしめた。
頭をそっと胸元に引き寄せられて、息を呑む。

ゼニス
「胸が痛くなってしまうくらい、あなたが何を切望しているのか、わかるわ」

ゼニスのぬくもりに包まれた。
彼女の香りや声、体温に、パウロの心が凪いでいく。

パウロ
「……ゼニス?」

ゼニス
「私もね、温かい『家』や、『家族』や、形はなくてもそこにある『愛』がほしいと思って、家を飛び出したの」

ゼニス
「私はパウロと逆で、母とぶつかっちゃったから……。
期待に応えた兄や姉と違って、母が求める淑女になれなかったの」

パウロ
「淑女ねえ……」

ゼニス
「母の教育は厳しくて、弱音を吐くなんて許されなかったわ。
誰の目から見ても美しく、清廉で、自慢できる淑女……。
それが母の理想の娘なのよ」

ゼニスが過去を語る。
彼女の話は他人事とは思えない内容ばかりだ。

あまりにも境遇が似すぎていて、ゼニスが当時感じていたであろう気持ちが、パウロには手に取るようにわかった。

パウロ
「……見る目がねえな」

ゼニス
「え?」

パウロ
「ゼニスの母親は、見る目がない。
お前ほどいい女はいないってのにな」

ゼニス
「もう! こんな時まで茶化して!」

パウロを抱きしめたまま、ゼニスがぷりぷり怒る。
そんな彼女がかわいくて、あたたかくて、怒られているのに笑いがこみ上げてきた。

パウロ
「茶化してねえよ」

ゼニス
「うそ。笑ってるじゃない」

パウロ
「そりゃあれだ、お前が――」

パウロ
「――特別だからだろ」

ゼニス
「特別……」

パウロ
「こんなに心の中を晒したのは初めてだ。
きっと、相手がゼニスだったから話せたんだと思う」

ふたりは静かに見つめ合う。
瞳の中に互いの姿しか映っていない。
どちらからともなく、距離が縮まり――。

パウロ
「!!」

メンバーが身体を休めているテントで誰かが動く気配がした。
パウロはハッとし、そちらへと意識を向ける。

ギース
「ふわぁ~あ~……パウロ、交代だ。
見張りは俺がするから……ん?
なんだ、ゼニスも一緒だったのか?」

ゼニス
「っ、ええ、なかなか寝つけなくて……」

欠伸をしながら出てきたのはギースだった。
彼はゼニスの言葉に納得したように、腕を組んでうんうんと頷く。

ギース
「ああ、そうか。初めての迷宮だもんな。
緊張して眠れないのもわかる」

ギース
「けど、迷宮踏破は体力勝負なとこもあるしな。
目をつぶってるだけでもいいから、横になってたほうがいいぜ?」

ゼニス
「……うん、そうするわ。
パウロ、ギース、おやすみなさい」

テントへ入って行くゼニスの背を見送り、パウロは両手で顔をおおって深く息を吐いた。

パウロ
(欲のままに手を出しちゃいけないって、思ってすぐに、これかよ……)

パウロ
(ギースが起きてなかったら、俺は……)

パウロ
「ああ~っ、クソッ!」

ギース
「?」

ガシガシと頭を掻くパウロにギースが怪訝な顔をするが、気にかける余裕はない。
複雑な想いを抱く中、時間はすぎ――。

その後、黒狼の牙はあっさりと迷宮を攻略し、ゼニスにとって初めての迷宮は大きな問題もなく幕を下ろしたのだった――。

難易度の低い迷宮ということもあり、攻略をしてもパーティに変化はなかったが、変わったこともある。

パウロ
「なあ、ゼニス。
次の迷宮はこの辺にしようと思うんだ。
前より少し難易度は上がるけど――」

ゼニス
「パウロの判断に任せるわ。
あ、私、ギースに用があるから……」

パウロ
「お、おう……?」

迷宮攻略からしばらく。
パウロとゼニスの間にはどことなく、ぎこちなさが漂っていた。

エリナリーゼ
「あなたたち、最近どうしましたの?」

ギレーヌ
「様子がおかしいぞ」

パウロ
「って、俺に言われてもな……」

パウロがゼニスの姿を目で追うと、彼女はギースと何やら話している。

パウロ
(迷宮でのことが原因か?
あの時、キスしようとしたから……?)

ふたりの間のぎこちなさは、しばらくしても消えることはなかった。

しかし個人の実力がある分、黒狼の牙は順調に迷宮を攻略していき、半年も経たないうちに最高難易度の迷宮に挑むことになる――。

最難関の迷宮は地下へと続く遺跡で、入口は蜘蛛の巣がビッシリと張られていた。

ギース
「こりゃまた厄介そうなとこだな」

パウロ
「けど、俺たちなら絶対いける。
ここを踏破して、てっぺん取ってやろうぜ!」

ギース
「てっぺんか……そりゃ壮大な目標だ」

ギース
「ま、お前は1度やるって言ったら、本当にやっちまうんだろうけど」

パウロと斥候のギースがそれぞれ松明に火を灯して、黒狼の牙は迷宮の中に足を踏み入れる。

パウロ
「仕方ないとはいえ、松明って邪魔だよな。
片手が塞がっちまう」

タルハンド
「この暗さの中を明かりなく進むのは危険じゃ」

ギース
「そうそう。
どうしようもないこと言ってねえで、さっさと地下に進むぞ」

難所と呼ばれているだけあって、迷宮の中はたくさんの魔物で溢れていた。
特に蜘蛛の魔物が多く、入口に巣を張っていたのも納得だ。

パウロ
「エリナリーゼ!」

エリナリーゼ
「わかってますわ!
前衛のラインを上げたいのでしょう?
後ろはわたくしに任せてくださいな」

ギレーヌ
「うぉぉおおぉぉお!!!」

ギレーヌとパウロが魔物を切り捨てていった。
遺跡の中で大きな魔法は使えないが、タルハンドが的確に魔法を飛ばして前衛を助ける。

パウロ
「ゼニス!」

ゼニス
「回復するわ!」

ゼニス
「神なる力は芳醇なる糧、力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん、『ヒーリング』」

パウロ
「………………」

それはほんの一瞬のこと。
並のパーティであれば誰も気にしない程度の、わずかなズレだ。

本当に些細なもので、事実、黒狼の牙は難所の迷宮に苦戦することなく、ずんずん地下へ進行することができた。

最奥へ向かっていくつかの階層を降りた頃――。

安全に休めそうな場所を発見した黒狼の牙は、休息のため、そこで野営することにした。

パウロ
「ゼニス、いいか?」

ゼニス
「? ええ……」

料理の支度を手伝おうとしていたゼニスを呼び止め、仲間たちから少し離れたところへつれて行く。

ゼニス
「パウロ? ……どうしたの?」

パウロ
「俺は、個人の実力も大事だけど、パーティとして動くなら連携や戦術が個々の力量より重要だと思ってる」

パウロ
「今日、ほんの一瞬だけど、俺たちの間で連携が乱れた。
呼吸が合わなかった。その自覚はあるか?」

ゼニス
「!!」

パウロ
「普段の戦いなら気にもならない。
難易度の高い場所だからこそ、表に出てくる乱れだ」

ゼニス
「つまり……最高難易度の迷宮に挑むには、私の実力が足りなかったってこと?
みんなについていけて、ない……?」

パウロ
「そうじゃない。前にできてたことが、今はできなくなってるんだ」

パウロ
「わかってると思うけど、あの日から俺たちの関係、おかしいよな?」

ゼニス
「! そんなこと……」

ゼニスは一度は否定しようとしたが、最後まで言うことなく首を横に振った。

ゼニス
「ええ、そうね……」

パウロ
「ずっと、俺を避けてるだろ」

パウロ
「なんでだよ?」

気まずげな顔をするゼニスにパウロはつめ寄る。

パウロ
「あの時、俺は……心を開いて、過去も、考えも、全部を話した」

パウロ
「それで……ゼニスも、心を開いてくれたと思ったんだ」

パウロ
「距離が縮まったって感じたのは、俺の気のせいだったのか?」

ゼニス
「気のせい……」

ゼニス
「……なんかじゃない、わ。
誰にも話したことのない気持ちを、あなたに話せたから」

パウロ
「だったら、どうして避けるんだよ!」

ゼニス
「それは!」

声を荒げたパウロを、ゼニスがキッと睨みつけた。
あまりにも強い眼光に、パウロは思わず息を呑む。

ゼニス
「それは、あなたのせいでしょ!」

パウロ
「はあ!? 俺のせいって――」

ゼニス
「特別だって!」

ゼニス
「私を、特別だって言いながら、あなたは、ずっと他の女の人に手を出していたわ」

ゼニス
「エリナリーゼにも、ギレーヌにも、酒場で会った女の子にも……!」

パウロ
「だから避けてたのか?
俺が他の女に手を出すから?」

ゼニス
「違うわ。そういうことじゃなくて……」

ゼニス
「避けていたのは……私自身が、気持ちの整理ができていなかったからよ」

ゼニス
「私は……あなたみたいに女好きで、ミリスの教えを無視して、問題を起こすのも気にしないで無茶ばかりするような人――」

ゼニス
「大嫌いなはずなのに、どうして、心を預けたくなったのかって……」

パウロ
「え……」

彼女がつむぐ言葉にパウロの胸が騒ぐ。
いつからだろう。

言葉ひとつで簡単に翻弄されてしまうほど、パウロにとってゼニスは、かけがえのない女性になっていた。

ゼニス
「私はミリス教徒だから、本来ならあなたを軽蔑して、嫌いになっていたと思う。
だけど、離れられずに、今も一緒にいる……」

ゼニス
「私、他に知らないわ。あなたみたいに……」

ゼニス
「みんなの目を惹きつけて、誰かの人生をまるごと変えてしまうほどの影響力を持っているのに……」

ゼニス
「心に寂しさを抱えて、愛を求めて足掻いている、……放っておけない人」

胸が熱くなる。
まるで、腕を広げて待ってくれているようだ。
あとは飛びこむだけでいいとでも、言うように――。

パウロはゼニスを抱きしめた。
彼女の華奢で柔い身体をギュッと抱けば、胸が熱くなる。

ゼニス
「ふふ、パウロ、ちょっと力を緩めて。
そんな風にしなくても、私は逃げたりしないわ」

パウロ
「………………」

パウロ
「……お前は、特別だ」

ゼニス
「あなたが、私を特別だと言ってくれるなら、私はその想いに応えたいわ」

慈愛に満ちた瞳がパウロを見つめていた。
微笑みを浮かべた彼女が、小さな手でパウロの頬をそっと撫でる。

ゼニス
「私がパウロの『家』になる。
あなたと『家族』になって……温かい、幸せな家庭を築きたいわ」

パウロ
「!! 本当に……?」

あまりにも嬉しすぎる言葉を信じられず、パウロは思わず聞き返す。
ゼニスは微笑んだまま頷いた。

ゼニス
「ええ、本当よ。
だから、あなたも私の『家』になって」

パウロ
(……受け入れて、もらえたんだ……)

大切にしなければならないと思っていた女と、想いを通じ合わせることができた。
喜びと、安堵が胸の中で入り混じっている。

パウロ
(ゼニスとなら家族になれる。
血のかよった、ぬくもりのある家族に……)

パウロ
「ああ、もちろん!
ふたりで家族になろう!」

心が満ち足りている。
迷宮内で冷静さを失うのは愚の骨頂かもしれないが、パウロは今の高揚が悪い方向に働くとは思わなかった。

そして、パウロの予感は的中する――。

数時間後、攻略を再開した黒狼の牙は、昨日よりも迅速に迷宮を進んでいく。
陣形を崩すほどではないにしろ、パウロは積極的に剣を振った。

エリナリーゼ
「パウロのあれはどうしましたの?
いつにも増してはりきってますわね」

タルハンド
「何があったのかはわからんが、凄まじい気迫じゃ。
ギレーヌに勝るとも劣らない動きをしておる」

ゼニス
「………………」

鋭さを増したパウロの剣に、彼の戦いを間近で見てきたメンバーたちも驚き、それと同時に目を惹かれる。

心が解き放たれたパウロはそれほどまでに強く、美しく、猛々しく、戦った。
そしてあっと言う間に迷宮の最奥まで辿りつき――。

黒狼の牙は難所とされていた迷宮を被害なく踏破してみせ、これを機にパーティは、冒険者の誰もが憧れるS級ランクへ昇格したのだった――。



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